家づくりをする前に知っておきたい7つのポイント!

1どうして家が欲しいの?

家を建てよう!と思っているあなた。できれば、住宅展示場や見学会を探しはじめる前に、家ができあがったとき、そこで暮らし始めたときに、「本当に満足できる家づくり」になったと感じていただくために「どうして家がほしいのか?」をあらためて考えてみましょう!

家を建てる方にお聞きするとよくある答えは「小学校に上る前に校区を決めたい」「社宅を出ることになったので」「みんな買っているので、そろそろうちも」「家賃がもったいない気がする」といったようなことです。しかしながら、それは家を買おうかと考えはじめたきっかけであり、戸建てを買わなくてはならない理由ではありません。

きっかけになった出来事の解決には別の解決策がある!

校区や社宅の問題は、よく考えてみると、賃貸の継続でも問題はないし、マンションを買ってもOKだったりします。さらに、経済的問題については、維持費などを全部含めると一戸建住宅より賃貸の方が安く済むケースも多くあり、「家賃がもったいない」という認識は必ずしも正しいとはいえません。 ですが「家が欲しい!」そう思う根底にはきっと買ったほうが買っていない今よりももっと幸せになっている。みなさんそう思っているという風に感じます。

どんな家をつくれば、これからの人生が楽しくなるのでしょうか?

きっかけの問題だけで考えると、住宅展示場にあるどの家でも見学会に行ったどの家を選んでもかなえられるので、見れば見るほど、どの家がいいのか?迷ってしまうのが実情です。
きっかけになった出来事から離れてもう少し具体的にその家でどんな生活を楽しみたいのかを考えてみましょう。大変な家事をもう少しラクにしたいとか、家族とリビングでくつろぎたいとか、趣味をもっと充実させたいとか…それが、戸建てを建てないとかなわない夢であれば家を建てる理由になってきますし、それを叶えてくれるような建築会社を探すことができるようになります。

そうやって、自分の理想の生活を叶えるために行うのが「家づくり」です。

じゅうmado岡崎は、家を建てることを進める窓口ではありませんので、総合的に考えて、家を買わないほうがいいと決断したり、もう少し先に伸ばそうと決断することも応援しています。じゅうmado岡崎に相談に来られた方の中にも、注文住宅を建てたい!と考えていたけれど、予算のことや将来的な売却も見据えて建売住宅にされた方や、ライフプランをした結果、焦って今建てる必要性がないという事に気がついて建てるタイミングをもう少し後にされた方もいらっしゃいます。

ライフプランとは?

幸せ=家を建てることではない

思いが広がってしまうと予算をオーバーする方がほとんどです。しかし、どんなに素敵な家でも、そのローンを返すのに毎日疲弊していては、建てる前よりも建てた後のほうが幸せになっているとは言えません。家づくりについては、経済的な側面からもしっかりと考えておく必要があります。

何はともあれまずは「どうして家が欲しいのか?」という基本的な問いを、ご夫婦で考えるところからはじめましょう。

2 住宅予算の立て方

じゅうmado岡崎にご相談においでになる方に、「住宅のご予算はもう決めていらっしゃいますか?」とお聞きすると、「○○円ぐらいで考えています。」とサラッとおっしゃる方が結構多くいらっしゃいます。しかし一方で、契約した金額がそれとは大きくオーバーしていたり、はたまた予算内だったはずなのに、返済が苦しくなったりする方も多いのです。一体どうしてそうなってしまうのでしょう…?

予算を出すにあたって、よくあるのは3パターン。

①今の家賃から割り出してもう1万円ぐらいなら増えても大丈夫だろう…と、今の家賃から割り出す
②同僚や同じような収入や家族構成の人と同じなら行けるだろうと割り出す
③銀行で借りられるローンの枠が予算と考える

この3つを基本に、それぞれハウジングセンターやチラシで見た自分たちの欲しい家の相場から考えて出していることがほとんどですが、これが実は3つの落とし穴でもあるのです。

落とし穴①家を建てると賃貸の時にはかからなかったお金が色々かかってくる。

まずは固定資産税。岡崎市の住宅の固定資産税は年間で10-15万ぐらいになる方が多いので、それだけでも月にローン+1万円は必要になります。さらに、住宅設備の老朽化などもあるのでリフォームが10年に1回200万ぐらいはかかります。これも月に換算すると、1.5万円ぐらい。つまり、ローンの返済額は家賃と同じだったはずなのに、「住宅」にかかる費用としてはローン+税+リフォーム積立金となり、家賃よりも月に2.5万円も高いことになるのです。さらに、家が大きくなった分だけ光熱費がかさむ可能性もありますし、生活費もずっと今と同じではなく、お子さんの成長に連れて増大していきます。

落とし穴②家族構成や収入が同じでも、生活感覚が同じとは限らない。

旅行や外食の回数、子供の習い事のお金など、同僚よりも自分たちが大きな支出があるライフスタイルであれば、同僚と同じだけ住宅にかけられるいう訳にはいきませんし、労働所得は同じでも親御さんからの贈与があったり、他の所得がある可能性もあるので、同僚が大丈夫だからウチも大丈夫とはいきません。

落とし穴③ 銀行で借りられるローンの枠=返していける額ではない。

たしかに銀行が貸してくれる枠が最大の予算ではありますが、銀行さんはあくまでも商売。返せる金額であるとは限りません。返せなくなって苦しくなる可能性もあるということです。家を買うときめると、かかるものはかかるのだからしょうがない!と勢いよく清水の舞台から飛び降りてしまう人は多いのですが、じつはそれが危険!

もう少し、根拠のある予算を考えるようにしましょう。

根拠のある予算はどうやって出すの?

住宅にかけて良い金額を出す公式は、
『生涯の収入ー家以外にかかるお金=家にかけて良いお金』です。
当たり前ですね。これが基本です。生涯の年収は、今の収入からなんとなく割り出すことが出来るとは思います。大変なのは、家以外にかかるお金です。ここには、生活費はもちろん、大きいもので言うと教育費や、車の購入維持費なども入ります。それらをぜ〜んぶ抜いて、残ったものであれば住宅に使っても大丈夫です。これを出すには、おすすめなのは『ライフプラン』と呼ばれる生涯に渡るお金の計画を作ること。この中に、リフォーム費用や繰り上げ返済計画なども入れておくと安心です。

一般的に家以外にかかる大きなお金としては、教育費がお子さん一人あたりで1000-2000万円、車1台の費用は30歳から70歳まで200万ぐらいの車を買い替えながらも維持した場合1700万円、老後資金は60歳から100歳まで月20万円で生活したとしたら9600万円。その3つが大きなお金です。また、住宅のリフォームは生涯で1000-2000万円かけているというのがアンケート結果から見える実態です。一方で、収入として大きなものは相続や退職金。あとは、年金も長く生きれば多くの収入となります。これらをどうやりくりして、一生涯お金に困らず生活するかというのを考えていかなくてはなりません。こうやって並べてみると、すごく大きな出費がこれからの人生で待ち受けていることがわかりますよね。ぜひ、勢いでなくきちんと計画して下さい。

また、『ライフプラン』は、今では住宅メーカーさんや保険の代理店さんなどでも出してはもらえますが、そこはちょっと要注意!それぞれに住宅を販売したかったり、保険の契約を取りたかったりと言う思惑もありますので出された数字はしっかりと見て、さらに先程書いたような大きな数字の漏れなどがないかはしっかりとご自身で確認して下さい。じゅうmado岡崎でも、家を建てたい方向けのライフプラン作成サービスを行なっております。じゅうmadoは住宅関連の全国5000社で組織される一般社団法人全国住宅産業地域活性化協議会によって運営されている暮らしの相談窓口。地域の皆さまの暮らしに役立つ窓口をと言う思いで開設した非営利の窓口なので、公平で中立な立場で相談をお聞きし、アドバイスを行っていますので、ちょっとでも不安のある方はぜひご相談ください。

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3 どう選ぶ?建築業者!?

じゅうmado岡崎では、相談者の皆さんにアンケートをお願いしています。アンケート結果を見ると建築業者を決めた理由は《信頼できる住宅メーカーだった》から《住宅会社の営業マンがよかった》からが大体同率で1位になっています。信頼できそうな住宅会社を選び、信頼できそうな営業マンを選んだのに、建築後に来られるご相談者の多くに「後悔」が生まれてるのも実情です。実は、これは家づくりで明確にしておかなければならないことを知らずに選んでしまったから起きてしまうことです。
家づくりに失敗したという方のほとんどの原因は、建築会社とのミスマッチです。自由度の高い家にしたいのにハウスメーカーを選んでしまったり、早く建てたいのに設計士に依頼してしまったり…。相手の特徴を事前に知り、長所も短所も上で知った上で自分に合っているところを選べばそのようなことも少ないはずです。

では、どうやって建築業者を選んだら良いでしょうか?まずは、それぞれの特徴を知りましょう。さらに、選ぶ時の心づもりとして知っておいていただきたいのは、建築業者はあくまでもパートナーということ。お金を払ってすべてをお任せする相手だと考えているとトラブルに成ることが多いです。自分たちも協力しながら作り上げていくという感覚を持っていたほうが必ず成功します。
そのために、相手を理解し、短所も受け入れた上で契約をし、家づくりを始めるのがおすすめです。足りないところは自分たちが補ってあげる。そうしながらプロの力をしっかりと引き出してください。
また、相手を知ること以上に実は大切なことがあります。それは、自分たちを知り相手にしっかり伝えること。しっかり伝える努力をしていないのに思うような図面が出ないと言われるお施主様の声をよく聞きます。建築業者は超能力者ではありません。きちんと要望を細かに伝えないとふさわしい提案はできません。どんな物をしまうための収納がほしいのか、何を飾りたいのか、そこで何がしたいのか?そんな「要望整理」という仕事をお施主さん自身がきちんとやる必要があるということを知っておいてください。それなくして家づくりの成功はありません。

4 間取りの考え方

家を建てようという方の中には、雑誌や広告をたくさん見てご自身で間取りを書いている方もたくさんいます。書いてみるのは楽しいですよね。ですが、それより前にやってみるべきことがあります。

家の中でどんな風に「動いているのか」整理する。

それは、今の家で自分がどう動いているのか?朝起きてから、家を出発するまでのご自身の行動を今のお家の間取りに記入してみることです。いわゆる生活動線ですね。やってみると意外と同じ場所を行ったり来たりしていることがあったり、家族が同時刻に同じような場所を行き来して狭さを感じている場合もあるのではないかと思います。この動線は、短いほうが効率がいいと言われます。また、当然のことながら他の人の動線と重なったり、交差しないほうがストレスがないですよね。家事の時の動線や、帰宅後の動線も同様です。

どこに何をしまいたいのか考える。

また、動線を引いてみると気が付きますが、「物を取りに行く」という動線が入っていることに気づきます。これを短くするには、使うその場所に収納をつくること。間取りの段階で、どこに何をしまうのかをという収納計画をしておくと動線が格段に短くなり、しまうのもカンタンなので、出しっぱなしも減ります。理想的なのは、ご自身の今の暮らしを整理し、どこに何をしまいたいのか、どの部屋とどの部屋が近くにあって欲しいのかをノートなどにまとめて、建築業者さんに伝えることです。そうすれば、それらを叶えた間取りを引いてくれるはずです。その要望をまとめたものがないと、建築業者さんも一般的な間取りしか書けません。

家族のルールを反映させる。

暮らしには「一般的」なものはなく、その家独自の「ルール」があります。家に合わせて家族のルールを変えたり我慢するよりも、せっかく間取りから考えられるなら、家族のルールを反映した私たちだけの家にした方が、暮らしやすいはずです。じゅうmado岡崎で相談される方には、要望をまとめる「プランニングシート」というノートを書いていただきます。これをしっかりと書いた相談者の方は、図面を見た時に自分のほしい場所に欲しい部屋や収納があるのかどうかを見ることができるようになり、建築業者さんとの打合せもスムーズにできたという方が多くいらっしゃいます。ノートをまとめることによって、ご自身の図面を見る目も鍛えられるようです。要望をまとめたノートを元に建築業者さんが描いてくれた間取りがでてきたら、これから始まるであろう暮らしの動線を引いてチェックしてみて下さい。すると、必要な場所に収納がなかったり、入れたい物の大きさとかけ離れたりしていることもあります。その場合は、チェックしたことを動線の話をしながら建築業者さんに伝えて、修正を要望してみましょう。

他人のまねより自分の暮らし方の整理を。

このように、間取りを考える時は、雑誌などの他の人の暮らしを真似るよりも、その暮らしのいいところは真似ながらも、自分たちの暮らしを見つめ直し、新しい家に反映していくことが大切です。
また、間取りと収納計画はかなり密接に関わってきます。先にも書いたように、物の置き場所によって動線が変わるからです。ですので、間取りを考える時は、広さや部屋の並びだけでなく、その部屋に必要な収納もしっかりと考えておくことがポイントです。

プランニングシートとは?

5 建ててしまったら変えられない…4つのこと

じゅうmado岡崎では家を建てる方に必ずする質問があります。それは「今から建てようとする家に何年住みますか?」とうこと。30年、50年、現在30歳だとしたら50年ぐらいになりますね。そして子世代にも住んでほしいと思うなら100年という答えもあります。家は何十年という時間で考えなければいけないということを実感できます。そんな長い時間快適に安全に暮らしていくために建てるときにしっかりと考えなければいけないポイントが4つあります。なんとなく想像できる方もあるのではないかと思いますが、地盤、基礎、構造、そして断熱です。建ててしまったあとではなかなか手を入れることが出来ない部分です。ここからは文字通りの固い話。

まず第一に建物を支える地盤。

土地から探す方は、不動産業者に任せるだけでなく、ご自分で液状化MAPや住所を打つと地盤の状況がわかる地盤カルテ(https://jibannet.co.jp/karte/)などで調べてみてください。現地に行って周りの状況を確認することもお忘れなく。例えば田んぼが多い場合は・・・地盤は強固ではない場合が多く、畑の場合は悪くない可能性があります。また、ある程度不動産業者を見分けることも必要になってきます。「地盤については、建築業者の仕事です」なんていう業者さんがいたら要注意。例え、本来は建築業者の仕事ではあっても、調査してくれたり、近隣情報をきちんと伝えてくれるところと一緒に土地探しをしましょう。土地を購入したら地盤の調査と必要なら地盤改良。建築業者を選ぶときに地盤調査、地盤改良をどうやってやっているのかを確認してみてください。詳しい内容は知らなくても、わからなくても大丈夫です。とにかくまずきいてください。返事が返ってくるか来ないか・・・・がポイント。
できれば、他の物件の調査結果、改良結果を見せてもらってください。地盤に力を入れているかどうかがわかります。じゅうmado岡崎では基本として子ども世代につなげる地盤改良のやり方を標準に考えています。

次に基礎です。

基本は、建築基準法に則ったつくりになっているかどうか?がポイントになります。建築業者さんによっては第三者機関に依頼し、客観的に検査してもらい、報告や修正を約束しているところがありますので、そうした業者さんがやはり安心です。

そして構造となるのですが、最近特に気になるのは耐震についてですね。

熊本の地震では新しい住宅も倒壊していたのは記憶に新しいですね。熊本で起きた地震クラスに対応できるのは耐震等級3と言われています。これをクリアできるだけの知識と技術を持っているのかを確認するには、こんな質問を建築業者さんにしてみてください。「許容応力度計算はしていますか?」この質問、構造についてどれだけの認識を持っているかを確認できる質問です。許容応力度計算とは構造計算のこと。この質問に答えられるかどうかで、構造の強度についてどれだけの知識があるかを測ることができます。そして、構造に使う材料は必ず検査されたものを使っているかどうかも構造見学会などで確認するといいですね。

そして最後、4つめのポイント。断熱についてです。

冬になるとヒートショック、夏には熱中症、他にもアレルギーを起こしやすいのは断熱性能の低い家です。健康に快適に住むには断熱性能は必須です。さらに断熱性が良いと毎月の光熱費が変わります。高断熱にするためにイニシャルコストをかけるかランニングコストを取るか・・・・計算してみましょう。この章ででお伝えした4つの項目は家を建てた後では見えなくなってしまう部分、あとで取り替えはききません。十分注意しましょう。

6 10年ごとにやってくるため息のとき

住宅予算の立て方でもお伝えしていますが、じゅうmado岡崎では、年間20万円ぐらいのお金をリフォーム用に準備しておくことをおすすめしています。これは、毎年20万何かするというよりも、10年おきに100-200万ぐらいのメンテナンス費用が必要と言うことです。最初の10年では、カーポートや外構工事の追加などをする方が多いです。~20年では、給湯器、ウォシュレット、食洗機などの取替、15年を超えてくると外壁のメンテナンスにもお金がかかってきます。外壁工事は足場などが必要なため、200万を超えることも多々あります。これが、10~15年おきぐらいには必要です(外壁材によります)。そして、当然古くなればなるほどさまざまな汚れや不具合も起きてきますので、それらに手をいれたくなると、その都度費用がかかりますし、行わないと家の防水や断熱など基本的な性能を脅かしてしまうこともあります。大きなお金ですので、これらも計画的にお金を準備しておかないとなかなかできませんね。なので、建てる前にそれを見越した資金計画や家に使う材料の選択が必要です。すでに建てた方にもメンテナンス費用の目安ができるようにじゅうmado岡崎では「住宅診断」も用意しています。

住宅診断とは?

7 家づくりには「質問が出来る」知識を持ちましょう

ここまで家づくりに必要な6項目についてお話してきました。どんな風に感じられましたか?意外に面倒・・・・そう思われた方も多いのではないでしょうか。ただ、家は家族が安全に過ごせて、楽しく笑って暮らせることを目指して建てるはずです。それを実現するための大きなイベントです。しっかりと準備し、これから何十年も笑って暮らせる家づくりをしてほしいと思っています。満足のいく家づくりは業者任せでは絶対できません。まずはご自身のことを知ること、そして家づくりについてご自身の意図に沿った家づくりの知識を得ることが重要です。