住宅予算の落とし穴【その予算・・・どうやって算出しました?】

じゅうmado岡崎 アドバイザーの石原です。

家を建てようとお考えの方、もう予算はたてましたか?


ご相談者の方に、「ご予算はもう決めていらっしゃいますか?」とお聞きすると、「○○円ぐらいで考えています。」とサラッとおっしゃる方は結構多いです。しかし一方で、契約した金額がそれとは大きく変わっていたり、はたまた予算内だったはずなのに、返済が苦しくなったりする方も多いのです。一体どうしてそうなってしまうのでしょう…?

予算を出すにあたって、よくあるのは3パターン。

①今の家賃から割り出してもう1万円ぐらいなら増えても大丈夫だろう…と、今の家賃から割り出す
②同僚や同じような収入や家族構成の人と同じなら行けるだろうと割り出す
③銀行で借りられるローンの枠が予算と考える

この方式に、それぞれハウジングセンターやチラシで見た自分たちの欲しい家の相場から考えて出していることがほとんどです。

しかし!じつはそれはちょっと危険です!

例えば
①の落とし穴は、家を買うと賃貸の時にはかからなかったお金が色々かかってくること。まずは固定資産税。岡崎市内では、住宅だと年間で10-15万ぐらいの方が多いので、それだけでも月にローン+1万円は必要。さらに、リフォームが10年に1回200万ぐらいはかかります。これも月に換算すると、1.5万円ぐらい。つまり、ローンの返済額は家賃と同じだったはずなのに、「住宅」にかかる費用としてはローン+税+リフォーム積立金となり、家賃よりも月に2.5万円も高いことになるのです。さらに、家が大きくなった分だけ光熱費がかさむ可能性もありますし、生活費もずっと今と同じではなく、お子さんの成長に連れて増大していきます。

つづいて
②の落とし穴は、家族構成や収入が同じでも、生活感覚が同じとは限りません。旅行や外食の回数、子供の習い事のお金など、同僚よりも自分たちが大きな支出があったら同じという訳にはいきませんし、労働所得は同じでも親御さんからの贈与があったり、他の所得がある可能性もあります。

そして
③の落とし穴は、たしかに銀行が貸してくれる枠が最大の予算ではありますが銀行さんはあくまでも商売。返せる金額であるとは限りません。返せなくなって苦しくなる可能性もあるということです。

家を買うときめると、かかるものはかかるのだからしょうがない!と勢いよく清水の舞台から飛び降りてしまう人は多いのですが、じつはそれが危険!もう少し、根拠のある予算を考えるようにしましょう。

根拠のある予算はどうやって出すの?

住宅にかけて良い金額を出す公式は、『生涯の収入ー家以外にかかるお金=家にかけて良いお金』です。当たり前ですね。これが基本です。生涯の年収は、今の収入からなんとなく割り出すことが出来るとは思います。大変なのは、家以外にかかるお金です。ここには、生活費はもちろん、大きいもので言うと教育費や、車の購入維持費なども入ります。それらをぜ〜んぶ抜いて、残ったものであれば住宅に使っても大丈夫です。これを出すには、おすすめなのは『ライフプラン』と呼ばれる生涯に渡るお金の計画を作ること。この中に、リフォーム費用や繰り上げ返済計画なども入れておくと安心です。

一般的に家以外にかかる大きなお金としては、教育費がお子さん一人あたりで1000-2000万円、車1台の費用が30歳から70歳まで200万ぐらいの車を買い替えながらも維持した場合1700万円、老後資金は60歳から100歳まで月20万円で生活したとしたら9600万円。その3つが大きなお金です。また、住宅のリフォームは生涯で1000-2000万円かけているというのがアンケート結果から見える実態です。一方で、収入として大きなものは相続や退職金。あとは、年金も長く生きれば多くの収入となります。これらをどうやりくりして、一生涯お金に困らず生活するかというのを考えていかなくてはなりません。こうやって並べてみると、すごく大きな出費がこれからの人生で待ち受けていることがわかりますよね。ぜひ、勢いでなくきちんと計画して下さい。

また、『ライフプラン』は、今では住宅メーカーさんや保険の代理店さんなどでも出してはもらえますが、そこはちょっと要注意!それぞれに住宅を販売したかったり、保険の契約を取りたかったりと言う思惑もありますので出された数字はしっかりと見て、さらに先程書いたような大きな数字の漏れなどがないかはしっかりとご自身で確認して下さい。私の所属する「じゅうmado」でも、そういった方向けのライフプラン作成サービスを行なっております。
本当に家を買うべきかも考えてみましょう。

そもそも、住宅を買うのは何のためでしょうか。

さまざまな理由があると思いますが、
『家を買ったほうが今よりもきっとハッピーになれる。』そう思っているはずです。ですが実際は、住宅ローンを大きく借りてしまったがために、節約生活を送っていたり、お子さんの教育費の工面に苦労されていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。
まわりが家を持ったり、素敵なお家を見たりするとついつい欲しくなりますが、家を持ったら必ず幸せになれるものではありません。住宅を持つ、いい車に乗る、子供はきちんと大学に行かせる、たまには海外旅行にも出かける。それが幸せの定形ではありません。それそれの家族に別々の幸せの形はあるはずです。他の家族と比べないことが幸せになるには近道です。
家を買っても、そのために苦労をしたり家族仲が悪くなるよりも、家はなくとも家族が仲良く、笑顔で暮らせることが一番大事。生涯に渡ってそうであれるように、どんな家が良いのか。予算の側面からも、家本体の側面からも考えていただきたいと思います。

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じゅうmado アドバイザー 石原 空子

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